【監修】行岡病院リウマチ研究室長 村田 紀和先生
順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院 特任教授 小林 茂人先生
副作用は、早期に発見し、迅速かつ適切な処置を行うことで重症化を防ぐことができます。
次の注意事項を必ず守りましょう。
副作用を防ぐための注意事項
レミケード®の点滴中または点滴終了後に、発熱、頭痛、発疹などが起こることがあります。
①感染症(肺炎、結核、敗血症、日和見感染(ひよりみかんせん)など)
レミケード®などTNFαの作用をおさえる治療(抗TNFα療法)を受けると、免疫の働きが低下して感染症にかかりやすくなることがあります。
かぜのような症状があらわれたときは、自己判断をせず、主治医に相談してください。
②遅発性過敏症(ちはつせいかびんしょう)
点滴後3日以上過ぎてから、発熱、発疹、筋肉痛などのアレルギー症状があらわれることがあります。
③脱髄疾患(だつずいしっかん)
神経の病気の1つです。過去にご家族が脱髄疾患(多発性硬化症など)と診断されたことのある患者さんは、主治医に相談してください。
④間質性肺炎(かんしつせいはいえん)
細菌などの病原体が原因ではなく、薬の影響によって起こる肺炎です。
⑤抗dsDNA抗体陽性化に伴うループス様症候群
自分の身体の成分に対する抗体があらわれて、関節痛、筋肉痛、発疹などの症状が起こることがあります。
⑥肝機能障害、血液障害
臨床検査値(血液検査)で異常を認めることがあります。
⑦横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)
脱力感や筋肉痛があらわれたり、臨床検査値(血液検査)に異常を認めることがあります。
因果関係は不明ですが、レミケード®を投与された患者さんで悪性腫瘍、悪性リンパ腫を発症した方がいました。そのため、現在も継続的な調査を行っています。
レミケード®は予防接種に用いられるワクチンなどと同様に、「細胞培養」と呼ばれる方法を応用して製造されています。その際、ウシ由来の成分が使用されますが、次のような安全対策が講じられています。
このような厳格な安全対策を徹底することで、完全に否定することはできませんが、薬剤の中にTSEの原因となる蛋白質が含まれる可能性は極めて低くなります。
レミケード®は現在までに世界で220万人以上の患者さんに投与されていますが、レミケード®によってTSEが起きたという報告はありません。
ワクチンの接種を希望される場合は、主治医に相談してください。
次の方は、レミケード®を投与することができません。該当する方は、必ず主治医にお伝えください。